いつの間にか子供たちに広まったAIインターネットミーム「イタリアンブレインロット」

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こんにちは。小学生の子供がいるJORICOです。
最近うちの子供たちが「トゥントゥントゥンサフール」や、「トララレロ・トラララ」なる謎の呪文を発していました。何なのか聞いてみるとイタリアンブレインロットというネットミームが流行っているらしく、学校帰りにブレインロットバトルという謎のバトルを子供に挑まれる始末でした。
ということで、小学生を中心に流行っているイタリアンブレインロットについてまとめてみました。

イタリアンブレインロットとは

2025年に入ってから急速に広がったこの現象は、AIで作られた奇妙なキャラクターと、“イタリア語っぽい”ナレーションや名前が組み合わさった一種のミーム文化です。TikTokやYouTube Shortsを開くと、奇妙でどこかクセになる動画が次々に流れてきます。意味は分からないけれど、見た人の脳裏にこびりつく——それが「イタリアンブレインロット」です。

もともと「brain rot」という言葉は、SNS上で「無意味なコンテンツを見すぎて頭が溶ける」というスラングでした。そこに“イタリアン”がついたことで、イタリア語風のリズムや響きを持つナレーションと、AIが生成したカラフルで奇抜なキャラクターが融合。意味よりもテンポと音の気持ちよさが中心となった、新しいタイプの視覚ミームが誕生しました。

キャラクターたちはいずれもシュールで、一目で「何これ?」と思わせるデザインばかり。代表的なキャラとしては、三本脚のサメがナイキのスニーカーを履いた「Tralalero Tralala」、爆撃機とワニを合体させた「Bombardiro Crocodilo」、そして頭がカプチーノのカップになったバレリーナ「Ballerina Cappuccina」などが知られています。これらの名前はどれもイタリア語っぽい響きを持ちながら、実際の意味はほとんどありません。音のリズムや反復が面白く、耳に残ることが狙いです。

特徴として、

  • AI生成画像/動画を用いたキャラクターが多い
  • 名前・語りが“イタリア風テクスチャ”をもつが意味は無意味または断片的(“響き”重視)
  • 視覚・聴覚ともに“すぐ見て/聞いて意味分からず面白い”という即時性/刺激性が高い

この点から、子ども・若年層に特に受け入れられやすく、「何を意味してるか分からないけど笑える」「みんなが使ってる」などのSNS的波及性が鍵となっています。

“すでに1000種類いる?”という噂の背景

「イタリアンブレインロットはもう1000種類以上ある」と言われることもあります。実際に数えたわけではありませんが、AI画像生成や動画編集ツールの普及により、誰でもオリジナルの“ブレインロット風キャラ”を作れるようになったため、派生作品が爆発的に増加しました。公式設定のあるキャラに加え、ファンが作った“非公式キャラ”も膨大。中にはカード化やぬいぐるみ化されたものまで登場し、まるで「新しいポケモン」のような多様性を見せています。

人気のキャラ

Tung Tung Tung Sahur(トゥントゥントゥンサフール)

最近特に人気が高いのが、「Tung Tung Tung Sahur」というキャラクター。木の棒を持って太鼓のようにリズムを刻む映像とともに、「トゥン・トゥン・トゥン・サフール!」という掛け声が繰り返されます。イスラム圏の“夜明け前の呼びかけ(サフール)”をモチーフにしているとも言われますが、こちらも深い意味はなく、リズムと語感の面白さが魅力。

Tralalero Tralala(トララレロ・トラララ)

三本脚のサメがナイキのスニーカーを履いている、というビジュアルが話題となった最初期のキャラクター。
名前の“Tralalero Tralala”という響きも反復され、ミーム中で「ちゃらら〜、トラララ〜」的なリズム音として使われます。
このキャラの登場で「イタリアンブレインロット」の“型”が確立されたと言っても過言ではありません。

Bombardiro Crocodilo(ボンバルディーノクロコディーノ)

ワニの頭に第二次大戦風双発爆撃機の胴体を組み合わせたハイブリッド。
“爆撃機ワニ”という突飛な設定が、派手なミーム・バトル形式(○○ vs ○○)の題材としてよく用いられています。

Ballerina Cappuccina(バレリーナ カプチーナ)

チケットとして特に話題となった、頭がカプチーノのカップ、チュチュを着たバレリーナというキャラクター。
このキャラは“可愛らしさ+奇妙さ”を併せ持っており、子ども・若年層に特に受けているようです。

その他にも、「Chimpanzini Bananini(バナナ体のチンパンジー)」「Brr Brr Patapim」など、非常に多くのバリエーションが存在します。

子どもたちの流行はSNSから

このトレンドが「子ども・若年層」の間で急速に広まった背景には、SNS/UGC(ユーザー生成コンテンツ)/AIツールなどの“構造”が深く関わっています。

  • 主に TikTok や Instagram のショート動画プラットフォームで流行。視聴時間が短く、インパクト勝負のコンテンツが有利であったため、この種の“即時笑える/変な”キャラがマッチしました。
  • 多くの子どもたちが「このキャラ真似してみた」「この音声を使ってみた」という投稿を行い、模倣→派生のサイクルが速かった。AI生成やフィルター/編集ソフトが手軽であったため、誰でも“自分版”を作れる=爆発的拡散。
  • 「“なんとなく面白くてツボに入る”」という性質が、言語・文化を越えて受け入れられ、海外の子どもたちにも波及。例えばインドネシア、欧米での利用も報じられています。
  • 教育現場・家庭では、「子どもが突然『Ballerina Cappuccina!』と言い出した/授業中に“Tralalero Tralala”を口ずさんだ」といった報告もあり、ちょっとした“学校現象”化しています。

つまり、「子どもたちの流行」は、従来のテレビ・おもちゃだけではなく、SNS+AIミーム+自作参加型という三位一体の構造によって支えられていると言えます。
また、“意味を追わずに楽しむ”というスタンスが、理解よりも模倣・共有・即体験を重視するデジタルネイティブ世代に適していたという分析もあります。

いつの間にか新しいキャラクターを覚えている

うちの子に限らずだと思いますが、ある日突然口から出てくるキャラクターが増えています。
どうやらクラスや学童保育に詳しい友達がいるらしくその子からどんどん広まっていくようです。驚愕なのが、学校ではスマホを見ることができない環境なのに、そのキャラクターのビジュアルや鳴き声、特徴など詳しい知識がアップデートされていくことです。最近では何やら歌も覚え始めました。ヴィレッジヴァンガードではイタリアンブレインロットのグッズも販売されており流行り具合を身をもって感じました。

Amazonで売られているフィギュア ¥2,480

AI時代の“遊び”と“創作”の境界線

イタリアンブレインロットは、単なるネットミームを超えた現象です。AIツールによる自動生成、SNSでの拡散、ユーザーによる派生制作——これらが連鎖することで、誰でも参加できる“集合的な創作遊び”が生まれました。
それはまるで、かつてのポケモンや妖怪ウォッチのように、子どもたちが自分なりのキャラを生み出して遊ぶ文化のデジタル版とも言えます。

コスプレやブレインロットをもとに別のAI画像が展開されたり

一方で、意味のない刺激が過剰に繰り返されることで、集中力や感性への影響を心配する声もあります。しかし、こうしたミームを単なる“害”として見るよりも、デジタル時代における「創造と模倣の新しいかたち」として理解することが大切だとおもいます。確かにAIによる著作権問題などもありますが、「ネットネイティブ世代」と呼ばれるインターネットが当たり前にある世代の次は「AIネイティブ世代」が到来するような気もします。
イタリアンブレインロットは、AIと人間の遊び心が出会って生まれた、現代ネット文化の象徴なのです。

大人にも流行るネットミームの世界

AIによるミームではありませんが、子どもたちだけでなく大人にも流行るネットミームもあります。

SCP

SCP とは、英語で
“Secure, Contain, Protect(確保・収容・保護)”の略です。
この言葉は、**SCP財団(SCP Foundation)**という架空の組織のモットーであり、
「人類に危険を及ぼす異常な存在・現象・物体を発見し、秘密裏に収容・研究して保護する」
という使命を持っています。

この設定をもとに、世界中のユーザーが自由に「SCP-173」「SCP-096」「SCP-682」など、番号付きの“オブジェクト(超常存在)”を投稿しており、それぞれが研究報告書のような文体で書かれています。まるで秘密機関の内部資料を読むようなリアルさが人気の理由です。

これをもとにした動画作品やゲームなど多数展開されています。

The Backrooms(バックルーム)

The Backrooms は、2019年に匿名掲示板 4chan に投稿された1枚の画像から始まりました。
それは、蛍光灯の光が均一に照らす黄色いカーペットの無人オフィスのような空間。
投稿文にはこう書かれていました:

「現実から“ノークリップ”してしまうと、君はバックルームズに落ちる。そこは古びた黄色い部屋が果てしなく続く迷宮だ。」

noclip(ノークリップ)”とは、ゲームで壁抜け状態になることを意味します。
つまり、「現実世界の壁をすり抜け、間違って入り込んでしまった空間」が The Backrooms という設定です。
近年ではAI画像生成ツール(Midjourney、Stable Diffusionなど)で作られた「レベル画像」「探索映像」「実体の写真」も大量に投稿され、まるで本当に存在する場所のような“デジタル・フォークロア”として拡散しています。

特に有名なのが、YouTuberの Kane Pixels による短編シリーズ。
彼のCG映像「The Backrooms (Found Footage)」は、VHS風の質感で“迷い込んだ撮影者の視点”を描き、数千万回以上再生されました。

このようにインターネット上で流行ったミームはAIとともにますます発展していきそうな勢いです。
次に流行るのはどんなものになるのか、子どもたちの流行にもアンテナを立てておくとより楽しいものが見れそうです。