ゲームで作った“自分のアバター”の著作権は誰のもの?

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― キャラクリ作品の権利と二次創作の扱いを解説 ―

近年のゲームでは、プレイヤーが自由にキャラクターを作成できる「キャラクタークリエイト(キャラクリ)」機能が当たり前になっています。
顔の輪郭や髪型、体型、服装、声まで細かく設定できる作品もあれば、シンプルにパーツを選ぶだけのものもあります。

そんな中でよくある疑問が──

「自分で作ったアバターって、自分の著作物になるの?」

という著作権の問題です。この記事では、

  • キャラクリの自由度による違い
  • 著作権の所在(誰の権利になるのか)
  • 二次創作・外部利用の注意点
    をわかりやすく整理していきます。

キャラクタークリエイトの自由度と“創作性”のちがい

まず、キャラクリ機能には大きく二つのタイプがあります。

1. 自由度の高いタイプ(例:スカイリム)

『The Elder Scrolls V: Skyrim』のように、顔や体型・表情・肌の質感・装備などを細かく調整できるゲームでは、ユーザーがかなり自由にデザインを行えます。
こうした場合、プレイヤー自身の創意工夫が反映されやすく、創作性が高いといえます。

法律的にも、このような「創作的な表現」がある場合は著作物として認められる可能性があります。

The Elder Scrolls V: Skyrim @Bethesda Softworks LLC

2. パーツを選んで組み合わせるタイプ

一方、髪型・顔・服などのパーツを選択して組み合わせるだけのゲームもあります。
たとえばソーシャルゲームやスマホRPGなどがこの形式です。
この場合、ユーザーはゲーム側が用意した素材を選ぶだけなので、自由度が低く、創作性が認められにくいケースが多いです。

BLUE PROTOCOL @Bandai Namco Studios Inc.

アバターの著作権は誰のもの?

著作権法では、「思想または感情を創作的に表現したもの」が著作物とされます(著作権法第2条第1項1号)。

ここで問題となるのは、
アバターの著作権はユーザーにあるのか?それともゲーム提供者にあるのか?
という点です。

ユーザーに著作権がある場合

自由度の高いキャラクリで、プレイヤーが一から外見を作り上げたような場合、そのアバターにはユーザーの創作性が認められ、著作者はユーザー本人と考えられる可能性があります。
たとえばSkyrimのように顔や体を細かく調整できるゲームでは、ユーザーが作ったキャラが「独自の表現」として評価される余地があります。

ゲーム提供者に著作権がある場合

ただし、多くのゲームでは利用規約で「キャラクリによって作成されたデータを含む一切の著作権は当社に帰属する」と明記されています。
つまり、ユーザーが作ったアバターであっても、ゲーム会社が著作権者とされるケースが大半です。

特に、

  • 素材やパーツがすべてゲーム側で用意されている
  • ユーザーがそれらを選択して組み合わせただけ
    といった場合は、アバターは「ゲーム会社の著作物(素材)」を基にした二次的著作物とされ、最終的な権利もゲーム会社に帰属する可能性が高いと考えられます。

二次創作・外部利用の扱い

ここで気になるのが、「作ったアバターをゲームの外で使えるのか?」という点です。

SNSや動画での使用

たとえば、自分のアバターをSNSアイコンや配信動画で使うのは一般的になっていますが、これはゲームの利用規約次第です。
「ゲーム内での利用に限る」「商用利用禁止」などの制限がある場合、それを無視して使用すると規約違反や著作権侵害になる可能性があります。

二次創作(イラスト・同人など)

アバターを題材にしたイラストやフィギュアなどを作る「二次創作」も同様です。
著作権の翻案権・同一性保持権などを侵害するおそれがあるため、ゲーム会社が明示的に許可している範囲で行う必要があります。

多くの企業は「ファン活動ガイドライン」や「二次創作ポリシー」を公開しており、
「非営利・個人利用に限りOK」「商用は要申請」などのルールを設けています。
これを確認せずに作品化・販売してしまうと、思わぬトラブルにつながることもあります。


具体例:ゲームごとの扱いの違い

ゲーム名キャラクリの自由度権利の扱い(公式規約より)
Skyrim(ベセスダ)非常に高い(顔・体型・装備・色など自由)MOD文化が活発だが、ゲームデータの再配布は禁止。アバター自体の権利はベセスダに帰属。
フォートナイト(Epic Games)中程度(スキンの選択・組合せ中心)スキン・エモートなどの知的財産権はEpicに帰属。スクリーンショット利用は非商用範囲で許可。
セカンドライフ(Linden Lab)非常に高い(3Dモデルや服をユーザーが制作可能)ユーザーが自作した3Dアイテムの著作権を保持できる数少ない事例。商用販売も可能。

このように、ゲームによってアバターの権利の扱いは大きく異なります。
「自由度が高い=権利もユーザーのもの」とは限らない点に注意が必要です。


まとめ:自分のアバターでも“自由に使える”とは限らない

  • キャラクリで作ったアバターが著作物になるかどうかは、自由度(創作性)に左右される。
  • 多くのゲームでは利用規約で著作権が提供者側に帰属すると定められている。
  • 二次創作や外部利用(SNS・動画・商用)には、ガイドラインの確認が必須
  • 「自分で作った=自分のもの」とは限らない。

おわりに

キャラクタークリエイトは、ユーザーが“自分の分身”を作り出す体験でもあります。
しかし、著作権という観点から見ると、そのアバターは「自分が作ったもの」であっても「完全に自分のもの」とは限りません。

ゲーム会社の規約・ガイドラインを確認しつつ、正しい範囲で創作・発信を楽しむことが、
プレイヤーとしてもクリエイターとしても大切だといえるでしょう。