生成AIを使わない方が良い事例を考察

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つい先日こんなポストが目に留まりました。

どうやらとあるフォトコンテストにてAI生成された写真素材が応募され、あまつさえ最優秀賞をとってしまったという内容でした。海外の素材サイトにあるもので実際に入手可能なものです。
https://www.dreamstime.com/illustration/frog-sits-pond-dragonfly-perched-nose.html

調べたところ該当のコンテストから最優秀賞がなくなっていたので、指摘があったのではないかと思います。このようなAIや国内ではメジャーではない写真素材サイトからのコンテスト応募は今後も無くならないでしょう。特に生成AIでの応募は増加するものとみられます。
そこで、生成AIを使わない方が後々の炎上やトラブルを避けられるであろう事例を考察していこうと思います。

考察事例1:商用の広告物の写真やイラスト

著作権や肖像権のリスク

AI生成画像は学習データに基づいて作られますが、その元となる素材には著作権や肖像権が存在する場合があります。
特に企業広告や商品パッケージなどの商用利用にAI画像を使用する際は、以下のようなリスクが発生します。

  • 元データの著作権・翻案権の侵害
  • 特定の人物を学習している場合の肖像権・パブリシティ権侵害
  • 生成画像の著作権帰属が不明確

そのため、利用するAIサービスの商用利用可否や利用規約を必ず確認することが重要です。
商用での利用は「AIで作る前に法的リスクを確認する」が鉄則です。

他にも

  • クリエイター軽視
  • 不気味の谷減少による不快感

などといった要因もあるようです。

マクドナルドの事例

2024年にマクドナルド公式から発表されたCM投稿が炎上しました。

この広告でも気持ち悪さを訴えたり、AIイコール誰かの著作権を侵害したととられ炎上につながったようです。

考察事例2:ゲームや映画などのコンセプトアート

独自性の低下と創作の曖昧化

AIはわずか数秒で膨大な案を生成できるため、ゲームや映画のコンセプトアート制作でも利用が進んでいます。
しかし、その反面で次のような課題もあります。

  • 他作品と構図やデザインが似通う傾向
  • 「誰の創作か」が不明確で、ブランド価値が損なわれる
  • 参考資料に他社作品が含まれていた場合、意図せぬ類似表現が発生する可能性

つまり、AIが生み出す「速さ」と引き換えに創造性の希薄化が起きやすいのです。
最終的なデザインを仕上げる際は、人間の感性による“選別と編集”が欠かせません。

アサシンクリードシャドウズ

アサシンクリードシャドウズ コンセプトアートより

アサシンクリードシャドウズの炎上問題は生成AIだけではありませんが、騒動の一部にAIが関係した部分もあるといわれています。具体的には公開されたコンセプトアートの中に生成AIであろうと思われる業者が散見されたことが発端です。
アサシンクリードシャドウズは 戦国時代の日本が舞台にもかかわらず、コンセプトアート内に中国の仏像や、アジア圏の農村風景、さらには軽トラックやガードレールなどAI生成で制作したであろう画像が素材として混じっていました。そのことがアサシンクリードシャドウズの歴史公証やゲーム制作者側のスタンスに疑問を投げかけることとなってしまいました。

考察事例3:コンテストなどの公募への出品

近年、AI生成作品のコンテスト応募を禁止または制限する事例が増えています。
AIを使った作品を「自作」として応募することは、規約違反倫理的問題として扱われることがあります。

さらに、部分的にAIを使った場合でも、
「どの範囲がAIで、どの部分が自分の手によるものか」
という説明責任が求められます。
受賞後にAI使用が発覚して取り消しとなる例もあり、信用失墜リスクは軽視できません。

フォトコンテスト

記事冒頭の話がまさに該当する事例です。今後、こういった事例は増えていくことになると思います。かと思えば「東京AI祭 AIクリエイティブ コンテスト」のようにAI生成がメインのコンテストも開催され始めています。
応募する場合はコンテストの概要とコンテストの目的が何なのか、出品にあたってレギュレーションが定められていると思いますのでよく確認の上、生成AIでの応募が妥当かどうか判断してください。

考察事例4:災害や事件に関係したSNSへの投稿

AI生成の画像や動画が「現実の災害現場」としてSNSに投稿され、誤情報が拡散するケースが増えています。
リアルな映像ほど信憑性が高く見えてしまうため、

  • 誤報による救助活動の混乱
  • 被災者・関係者の心情を傷つける投稿
  • 偽情報拡散による社会的混乱
    といった深刻な問題を引き起こします。

AI生成コンテンツを公開する際は、「AI生成画像」などの明記が不可欠です。
AI時代のSNSでは、情報発信者自身が「リテラシーの担い手」であることが求められます。
場合によりますが、誤情報拡散によって損害が生じた場合、民事・刑事の訴訟問題に発展する可能性も考えられます。

熊被害に乗っかった投稿

最近頻発している熊による被害に便乗するように、熊のAI動画が拡散され注意が促される事態になっています。
子供襲われるフェイク動画、保護団体が駆除に抗議呼びかけという偽情報…クマのデマ氾濫
よくも悪くもこうしたAIによる捜索動画は、実際の問題を誤解させる原因になってしまう危険性があり、SNSで流れてくるものをうのみにしないことが求められています。

考察事例5:授業の課題やレポート

教育現場では、ChatGPTのような生成AIを使ったレポート提出が問題視されています。
AIを使いすぎると、

  • 自分で考える力の低下
  • 不正行為とみなされるリスク
  • 誤情報や不正確な引用による内容の欠陥
    といった問題を引き起こします。

教育機関によってはAI使用を明確に禁止しており、違反した場合は成績への影響や処分対象になることもあります。
AIは「調べ方・構成の参考」に留め、自分の言葉でまとめることが学びの本質です。
ただ、ゼミや講義の担当教諭によってAI使用のこまからルールは変わってきますので、使用される場合は個別にしっかり確認することが大切です。


まとめ:AI時代に必要な“創作リテラシー”

AIは確かに便利で、創作の幅を大きく広げてくれる存在です。
しかし、安易な利用は法的リスク・倫理問題・創造性の劣化を招くこともあります。

項目主なデメリット想定されるリスク
広告物著作権・肖像権の侵害法的トラブル・信用失墜
コンセプトアート独自性の欠如作品価値の低下
コンテスト規約違反・倫理問題受賞取消・炎上
SNS投稿フェイク拡散社会的混乱・風評被害
授業課題不正行為・誤情報学習力の低下・信用喪失

AIを使う上で大切なのは、**「どこまでをAIに任せ、どこからを人間が責任を持つか」**を意識することです。
AIリテラシーは、これからの時代の“新しい教養”として欠かせません。