Z世代を中心に人気の「BeReal」の光と影

――“映え疲れ”世代が選んだリアルSNS、その魅力と課題
【導入】BeRealとは?Z世代の間で急拡大する「リアル志向SNS」の正体
近年、InstagramやTikTokといった“映え”中心のSNSから距離を置く若者が増えています。
その代替として注目を集めているのが、フランス発のSNSアプリ「BeReal(ビーリアル)」です。
一日一度、ランダムな時間に通知が届き、その瞬間を加工なしで撮影・共有するという斬新な仕組みが特徴。
特にZ世代を中心に「ありのままを共有する」文化が支持され、急速にユーザーを拡大しています。
しかし、リアルを重視するSNSだからこそ生まれる課題も少なくありません。
本記事では、BeRealの基本的な特徴からZ世代に人気の理由、そして近年問題となった事例まで、“光と影”の両面から掘り下げていきます。
BeRealとは? 特徴と概要
BeRealは2020年にフランスでリリースされたSNSで、
「ありのままの自分をシェアする」ことをコンセプトにしています。
通知が届くのは1日1回、時間は毎日ランダム。
通知から2分以内に撮影するルールがあり、スマートフォンのインカメラとアウトカメラを同時に使って撮影します。
つまり、投稿には「自分」と「自分の見ている景色」が必ず同時に写るのです。
加工機能やフィルターは一切なく、他人の投稿を見るには自分も投稿しなければならない仕組みが、他のSNSとは一線を画しています。
BeRealのユーザー数とユーザー層
BeRealは2022年頃から欧米を中心に急速に普及し、
2023年には世界で2,000万人以上のアクティブユーザーを記録。
その多くが10代後半から20代前半のZ世代です。
日本でも大学生・高校生の利用が増加しており、
「今日のBeReal見せて!」と日常の一部として共有する光景も珍しくなくなりました。
Z世代の“親しい関係中心”のSNS利用傾向とも親和性が高いのが特徴です。

Z世代に人気の理由
1. “映え”よりも“リアル”
SNS疲れが進む中で、「完璧な自分」を演出するInstagramに比べ、BeRealは“素の自分”を出せる安心感を与えています。
2. 投稿ルールの平等感
他人の投稿を見るには自分も投稿する必要があるため、閲覧専用ユーザーが少なく、フラットな関係性が生まれます。
3. 一日一回の手軽さ
一日に一度だけ通知が来る仕組みは、SNSに時間を取られ過ぎない利点もあり、「SNSデトックスの一環」として使うZ世代もいます。
BeRealの基本機能と使い方
- 通知で投稿タイム開始:毎日ランダムに通知が届き、2分以内に撮影。
- ダブルカメラ撮影:自分の表情と周囲の風景を同時に撮影。
- コメント・リアクション機能:友人の投稿に「リアクモジ」で反応できる。
- Discovery機能:世界中のユーザーの投稿を発見できる。
BeRealのUIはシンプルで、「1日1回のリアルを共有する」ことだけに特化している点が特徴です。
BeRealのいいポイント(光の部分)
- 加工なし・リアルなつながり
SNSの本来の目的である「等身大のコミュニケーション」を再定義したとも言えます。 - SNS疲れを軽減
頻繁な投稿やフォロワー数への執着が不要で、心理的負担が少ない。 - コミュニティ性の高さ
限られた友人同士でのやり取りが中心のため、安心感がある。
BeRealの影――見えてきた課題と問題点
1. 強制感とプライバシーリスク
「通知が来たら2分以内に撮影」というルールが、
「今は撮りたくない」「写したくない」という瞬間でも投稿を促す圧力になりがちです。
職場・学校・家庭内など、プライベート空間が映り込む危険性もあります。
2. “リアル”が迷惑行為を誘発するケースも
2023年、日本の回転寿司チェーン「くら寿司」で女子高生による迷惑動画が拡散され、
投稿者がBeRealを利用していたユーザーだったことから、「BeReal女子高生」という言葉が一時的にトレンド入りしました。
この事件は、アプリそのものの問題ではありませんが、
“リアルを共有したい”という心理が、場をわきまえない撮影行為を助長する可能性を示唆しました。

SNSの「リアル」は、他人の迷惑や企業のブランドイメージを傷つける可能性もある――という教訓を残しています。
3. 「投稿義務」からくるSNS疲れ
リアルを強調するあまり、「毎日投稿しないと仲間外れになる」と感じるユーザーも増加。
本来の“気軽さ”が、心理的プレッシャーに転じるケースも見られます。
まとめ――リアルと節度のバランスをどう取るか
BeRealは、Z世代の新しい価値観「飾らない自己表現」を象徴するSNSです。
企業のマーケティング視点から見ても、「リアル志向」「日常密着型」のトレンドを捉える重要なツールといえます。
一方で、リアルの共有にはリスクも伴います。
プライバシー、マナー、企業イメージ――これらをどう守りながらリアルを発信するかが、次のSNS時代の課題です。
BeRealの成功は、SNSが「つながりの質」を重視する方向に進化していることを示す好例。
その“光と影”を理解し、節度あるリアルの発信が求められています。










